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オスはオスとたたかう (3) |
ごじまんのキバとツノ |
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たたかう武器 |
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いろいろな種のオスで、たたかう武器となるキバやツノが進化しました。イッカクのキバ、ニホンジカのツノ、クワガタムシのアゴなどは、すべてオスだけにみられるものです。 大きなキバやツノをみると、血みどろのあらそいを思わせます。しかし、たたかいの場において相手のオスを傷つけることはほとんどありません。たいていはツノの大きさを見せあったり、キバの長さを比べあったりして勝ち負けが決まります。シカではツノを突き合わせることがあっても、ケガになるような突き方はしないようです。このようにオスどうしのたたかいは、決まった手順にしたがってすすむ「儀式(ぎしき)」として行われることが多いようです。 |
![]() 「ニホンジカの頭骨」 ![]() 左・オス(馬毛島産・所蔵:立澤史郎) 右・メス(奈良県産・館蔵標本) |
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クワガタ・カブトムシオスがケンカするための器官が進化した例として、真っ先に思いつくのは昆虫のクワガタやカブトムシの仲間です。クワガタの「アゴ」は大顎(だいがく)と呼ばれる付属肢(ふぞくし・関節をともなう手足のような器官)が発達したもので、カブトムシは頭部と胸部の一部が伸びて「ツノ」を形作っています。いずれもオスどうしがアゴやツノを使い、なわばりなどをめぐってあらそう様子が観察されます。左の写真: 上左:「チリーコガシラクワガタ」・上右:「ヘラクレスオオカブト」 下左・「オウゴンオニクワガタ」・下右「ゾウカブト」 (所蔵:下野谷豊一) |
![]() ![]() ![]() 撮影:田中克彦 |
ウミクワガタウミクワガタは海にすむ等脚目(とうきゃくもく・ダンゴムシの仲間)の甲殻類(こうかくるい)で、昆虫ではありません。オスにはクワガタムシそっくりの大顎(おおあご)があります。ウミクワガタの生活は明らかにされておらず、大顎の機能もほとんどわかっていません。ウミクワガタのいくつかの種はハーレム(1個体のオスが複数のメスをしたがえて群れを作る)ことが知られています。そのため、オスどうしの闘いに使われている可能性もあります。 左の写真は宮城県志津川町の海岸でフタエラフサゴカイ(Nicolea gracilibranchis)の棲管(せいかん)から採集されたウミクワガタ(ソメワケウミクワガタかその近似種 Elaphognathia sp.)です。 |
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オスどうしのたたかいを 利用した遊び | |||||
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![]() このアイコンがついている写真は、クリックすると別ウインドウで拡大表示されます。 | 特別展「どうぶつたちのプロポーズ大作戦!!」電子図録 (C)2004 福井市自然史博物館 |