越前海岸沿いを走る国道305号を、南から北に向かって、ドライブしてみませんか。主な観光スポットを地学的に解説します。
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−軍 艦 島 (ぐんかんじま)−
軍艦島・差別侵食
 軍艦島の地層は、45゜以上北西に傾いています。砂岩は風化しにくく突出し、3〜4mの面を形成しています。一方、泥岩は浸食され凹んでいます。このような差別浸食は越前海岸では広く見られ、これが美しい海岸風景をつくる要因の一つになっています。
軍艦島・斜交葉理
斜交葉理
▲ 斜 交 葉 理
 軍艦島の中央部あたりに分布する粗粒砂岩層には、写真のような斜交葉理が発達しています。斜交葉理は、地層面に対し斜交する堆積面をもち、水流などによる堆積物の移動によって形成されます。
 軍艦島の場合は、この斜交葉理の発達する砂岩層が、河川に堆積したと推測できます。
軍艦島・巣穴化石
▲ 生痕化石(甲殻類の巣穴)
 軍艦島の北西端部の砂岩層には多数のパイプ状の巣穴化石が、地層面に対し垂直に発達しています。
 これらは、甲殻類(カニなど)の巣穴化石で、潟(かた)でできた地層であることがわかります。
軍艦島・ノジュール
▲ 炭酸塩ノジュール
 軍艦島にわたると、やや砂質な泥岩層中に、ボール状の硬い部分がたくさん見られます。これは炭酸塩ノジュールとよばれるもので、炭酸塩鉱物(例えば方解石)が濃集して、周囲の地層より硬くなったものです。
軍艦島・足跡化石
▲ 足 跡 化 石
 駐車場から、岩場の壁面を注意深く観察すると、H型の模様と円形の模様が見られます。これらがそれぞれ偶蹄類(シカなど)とゾウ類の足跡化石です。これらの足跡化石は、高校の地学の先生・安野氏により発見されたもので、現在(西暦2000年)、越廼村教育委員会で調査が進められています。