このページの最終更新日:2005年5月11日 |
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しぜんし質問箱・その他編 |
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「天文台に勤めたいのですが」・・・福井市の小春さんの質問 (1)私は今高校生で、将来は足羽山の天文台に勤めたいと思っています。ですが,そのためには何の勉強をしておけばよいのかわかりません。大学は工学部に進んでも大丈夫でしょうか。やっぱり理学部に進まなくてはいけないのですか? 県内で理学部が設置されている大学ってないのですが。それとも,教育学部に進むべきでしょうか。 (2)天文台に勤めている職員の方は夜中も天体観測をしているのですか?(2002年12月20日) |
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おこたえ・・・石田 惣(学芸員) (1)まず、うちの博物館には、学芸員という、博物館で扱う分野に専門的にかかわる職員が4人います。それぞれの専門は昆虫、地学、植物、海岸動物です。おたずねの天文台の方ですが、今のところ、うちの天文台で専門に働くという職員はいません。もちろん、専門の職員が必要ないと考えているわけではありませんが、福井市の予算の関係もあって、そういう職員を新たに採用しよう、という可能性は低いです(市の職員として人を雇うには、その人の給料を市の予算から出す必要がありますので、市の財政に余裕がない今のご時世では難しい、ということです)。ただし、小春さんが大学を卒業し就職活動をされるであろう数年後の状況がどうなっているかはわかりませんので、可能性はゼロではない、ということは申し上げておきます。 では、うちの天文台がどのように運営されているかというと、主に「博物館協力員」というボランティアの方々の手で運営されています。私たち学芸員もお手伝いはしますが、やはりその方達の専門知識にはかないません。例えばうちでやっている天体観望会などの企画や運営は、すべて協力員の方が行っています。また、うちの天文台を利用して、定期的に観測も続けています。特に、50年前から続けている火星の観測は、日本でも例のない貴重なデータです(観測は福井市の中学生が自主的に始めたもので、その方々が現在協力員を続けておられます)。例えば、小春さんが天文に興味をお持ちでしたら、今すぐにでもうちの協力員のお手伝いをしてもらうことができます。そして、将来協力員になってもらえれば、小春さんの好きなときに観測をしたり、また天体観望会を企画してもらうことができると思います。そういう形で天文台と関わってもらえることもできるわけです。 ちなみに、今協力員をされている方々のほとんどは、大学で天文学や物理学を専攻されたわけではありません。が、このように協力員として活発な活動をされているということは、大学で専門的に学んだかどうかということと、天文学を探究するために必要な意欲や知識とは、かならずしも関係はない、ということでしょう。 ですが、やはり天文台の専門職員の道を進もうとするのであれば、理学部の天文学や宇宙物理学に進むべきだと思います。ただ、最近は人工衛星に望遠鏡を積んで観測する(ハッブル宇宙望遠鏡など)こともあり、こういう衛星の設計は工学部の分野だと思います。そういう点では、工学部でも天文学と連携するケースは増えているのかもしれません。また、国内の博物館の天文台に勤めている方の中には、理学部で天文学を専攻された方の他に、教育学部の理科教育課程で天文学を専攻された方もいるようです。 ある天文台職員の方に「天文台を目指す人は大学ではどのような勉強をすればよいですか?」と尋ねたところ、1)大学では天文学に限らず、広い分野に興味をもって学ぶ 2)海外の文献や資料を読めるように、英語力を身につける 3)コンピュータや望遠鏡を扱えるよう、工学の基礎的な知識を身に付けられればなおよい、とのことでした。 (2)うちの協力員の方々は徹夜で観測されることもあります。おそらく、他の天文台でも普通のことなんだと思います。 |
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