このページの最終更新日:2005年5月11日 |
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しぜんし質問箱・植物編 |
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「これはアケビですか?」・・・大阪府豊中市の瀬並さんの質問 我々仲間で写真の果実が「あけび」か否かでもめています。色は赤色で、大きさは 6〜8 cmぐらいです。あけびであれはもっと紫かかっていると思うのですが。また、あけびの蔓に棘があるのでしょうか・・・(2002年10月5日) |
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おこたえ・・・渡辺定路(館長) お送りいただいた写真の植物は、「ツチアケビ」と思われます。実物の標本がないと最終的な判断はできませんが、色や形、大きさから判断して間違いないと思われます。時期的にも、実はちょうど今の時期です。木ではなく、地面から直立した茎に実がなっていたのではないでしょうか。なお、「アケビ」とは実の形が似ていますが、全く異なる種です。 以下は「野草図鑑1」長田武正著、長田喜美子写真、保育社、1991年より引用したツチアケビの説明です。 「ツチアケビ(ラン科) 深い山の陰地にはえ、高さ30〜80cm、茎はかっ色の毛におおわれ、多数の黄かっ色の花をつける。花は半開きのままで終わり、径2.5cm。花も異様だが、果実は長さ7cm、赤く熟し、多数垂れ下がる姿は目をみはらせる。日本名はこの形をアケビの実と見たてたもの。日本全土。花期は6〜8月。」 |
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「リョウハクトリカブトの分布」・・・石川県金沢市の谷口さんの質問 リョウハクトリカブトの福井県での自生地を教えてください(2002年11月6日) |
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おこたえ・・・渡辺定路(館長) 能郷白山から白山にかけての山地(能郷白山、荒島岳、経ヶ岳、法恩寺山、銀杏峰、部子山、三ノ峰等)に自生します(参考文献:「福井県植物誌」渡辺定路著、1998年)。 |
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「コジキイチゴの日本海側の分布」・・・茨城県ひたちなか市の内山さんの質問 コジキイチゴの日本海側の分布を調べております。太平洋側は茨城県が北限になっており東茨城郡桂村の御前山に生育しています。新訂増補原色日本野外植物図譜では福井県にポイントがあるように見えます。石川県には分布はしていないようです。なにか分布に関する資料があれば、ご紹介いただければと思います。(2002年11月6日) |
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おこたえ・・・渡辺定路(館長) コジキイチゴの分布について、福井県下では、1980年代までは若狭地方の標本しかありませんでした。しかし、1990年代後半に福井市足羽山での自生が確認されました。当館に標本もあります。このように北限が更新されたことについては、近年気候が温暖になってきたことと関連があるのかもしれません(参考文献:「福井県植物誌」渡辺定路著、1998年)。 |
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おこたえ・・・渡辺定路(館長) 写真1はイワイチョウ、写真2はシシウド、写真3はおそらくミヤマセンキュウだと思われます。 |
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「気持ち悪いタンポポ」・・・北海道苫小牧市の杉純さんの質問 とてもとても不思議なタンポポを見つけ、どうしても気になるので、色々とホームページなど見たりして調べて見たのですが、どこにも書いていません。新種なのか、または突然変異なのかわかりませんが、教えていただきたいのです。 普通のタンポポなのですが、よく見ると異常に茎が太くて、直径2センチくらいあるように見えました。花もよく見ると、タンポポ3つ分くらいの大きさで、すぐ横には普通のタンポポが咲いていて、余計に気持ち悪いようなタンポポなのです。たまたま突然変異であるのかなー、と思ってその辺を見ると、また同じようなのがその辺に3本くらい咲いているのです。とても気持ち悪く、今まで29年生きてきてあんなのを見たのは生まれて初めてです。どうか教えていただきたいです。(2003年5月29日)
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おこたえ・・・渡辺定路(館長) これはおそらく「帯化(たいか)」という現象です。植物ではまれに、茎の生長点が帯状に広がったり、いくつかの茎が一平面に癒着して、写真のように扁平な茎になることがあります。花の癒着も同様に起こります。タンポポが含まれるキク科では起こりやすい現象のようです。遺伝的に起こるほか、昆虫などが生長点を損傷させることでも起こりえます。 |
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「スダジイ林(極相林)の階層構成」・・・千葉県千葉市のあーさんの質問 スダジイ林(極相林)の階層構成について教えて下さい。また、スダジイはどうして永く安定できるんですか?(2003年7月14日) |
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おこたえ・・・渡辺定路(館長) ・スダジイ林(極相林)の階層構成について シイ林も北限群落に近づくほど林内の種類組成は単純になります。 福井県若狭地方沿岸部のスダジイ林の階層はB1, B2, S, K層の4層ですが、近畿地方のシイ林ではS層をS1, S2に分けて5層にしています。 福井県のスダジイ林の主な構成種は下記のようです。 B1: スダジイ、タブノキ、シラカシ、アカガシ等 B2: モチノキ、ヤブツバキ、ヤブニッケイ、サカキ等 S: ヒサカキ、ムラサキシキブ、ヤブツバキ、シロダモ、スダジイ等 K: ベニシダ、アリドオシ、ヒメアオキ、ホソバカナワラビ ・スダジイはどうして永く安定できるんですか? シイ林は陰樹の林であるからです。 千葉の中央博物館には植物生態学の専門家が多数おられますから、博物館で専門家にくわしく教えてもらってください。 |
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