1.越前海岸ってどこ? 現在の越前海岸の姿は?
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▲ 福井県沿岸の海岸地形 (山本原図) |
若狭湾南側の海岸線は典型的なリアス式海岸で、全体としては北に傾きながら沈降しています。一方、湾東側(越前海岸)は、段丘面が発達した直線的な隆起海岸です。 このような対称的な地形になっているのは、両者の境界に甲楽城断層(かぶらぎだんそう)などの活断層が走っているからです。 これらの断層を境に、西側が沈降し、東側が隆起しているのです。 |
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Line6の海底断面図 (福井県、1997に加筆) |
海面付近で大きな音を出し、海底面やその下の地層の境界からはね返ってきた音により海底下の地層の様子を調べた記録です。縞模様が切れているところが断層です。この断層は最近も活動している活断層で、沈降する若狭湾と隆起する越前海岸を境する大きな断層です。 *福井県(1997)柳ヶ瀬断層帯(柳ヶ瀬断層、山中断層、甲楽城断層)に関する調査報告書。福井県、165p。 |
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越前海岸は、福井県の嶺北地方の西の海岸で、若狭湾の東側でもあります。 金折(1994)によれば、若狭湾の東端には、マイクロプレートの境界が存在し、西から移動してきたアムールマイクロプレートが、ここで沈み込んでいると推測されています。このために陸側の越前海岸や丹生山地は押し上げられ、隆起していると考えられます。 *金折祐司(1994)「断層列島−動く断層と地震のメカニズム−」近未来社より改写 |