オスジカどうしの角突きイラスト オスはオスとたたかう (2)

腕っぷしの強さを競う

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体の大きいオス

オスはメスにプロポーズするために、オスどうしであらそうことがよくあります。そのため、多くの動物ではメスよりもオスの方が力が強いようです。その差は体の大きさ、腕の太さ、筋肉の量などにあらわれます。

たとえばアメリカの西海岸にすむキタゾウアザラシは、1頭のオスがたくさんのメスをしたがえる「ハーレム」という集団をつくろうとします。そのとき、オスどうしはメスをめぐってはげしくあらそいます。キタゾウアザラシのオスの体はメスにくらべてとても大きく、体重は3倍以上になります。

映像(右):「オスどうしのケンカ―キタゾウアザラシの場合」
お互いに鼻を鳴らして威嚇(いかく)しあいます。次第にエスカレートして、ついには体をぶつけあうケンカになります。メスとの体の大きさの違いのほか、ケンカに夢中でメスをとられても気づかない様子、オスの首のまわりにできた傷などにも注目してください。
撮影地:アメリカ・カリフォルニア州・アニニュエボ島
撮影者:川島美生・薮田慎司

オスどうしのケンカ―キタゾウアザラシの場合
画像をクリックすると再生します(1分47秒・音声あり・19.8MB)


腕の太いオス

ヨツハモガニ(Pugettia quadridens quadridens)は北海道から九州の磯にすむクモガニ科のカニです。ヨツハモガニのオスは、はさみ足で取っ組み合いのケンカをします。オスのはさみ足は、おとなになると太くなります。メスのはさみ足は、おとなになっても太くなりません。

ヨツハモガニでは、オスがメスと交尾する時、メスが逃げないようにつかまえておく(ガードと言います)行動が知られています。太いはさみ足は、このようなガード行動にも有利だと考えられます。

映像(右):「オスどうしのケンカ―ヨツハモガニの場合」
はさみ足を使い、取っ組み合いのケンカをします。
撮影地:和歌山県白浜町(実験室内)
撮影者:佐藤ミチコ

オスどうしのケンカ―ヨツハモガニの場合
画像をクリックすると再生します(1分12秒・音声なし・13.2MB)


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特別展「どうぶつたちのプロポーズ大作戦!!」電子図録
(C)2004 福井市自然史博物館