1999年の火星観測の概要
 

今年(1999年)の火星は5月1日に地球に最接近しました。最接近のころは、夕方の観望は難しいため、屋上天文台では5月21日、28日、6月11日の夕方に市民向けの観望会を行いました。久々の大きな火星が見られ、特に北極冠や大きな暗色模様がよく見えました。同時に観望した金星が銀色に輝くのたいし、火星は地面の色が赤みを帯びて対照的でした。


 

天文台では、今年の火星を幅広く捉えるために、昨年の10月から観測を開始し、今年の11月頃まで続行されます。火星の全季節を観察するには少なくとも15年から17年かかるのですが、今年の火星は、とくに北半球の夏を観測する絶好の機会で、観測は欠かせないわけです。同じ季節を1984年にも出会っていますが、その時の観測を補強するものです。


 

天文台での観測は、「福井市自然史博物館研究報告」に発表されます。すでに1995年までの成果は9編の報告に発表されています。
 今年の観測が終盤になったら、この欄でも今年の火星の様子を要約しましょう。


『火星通信』のホームページへリンクしています。
 

この『火星通信』は東亜天文学会の「火星課」が発行しているものですが、当博物館屋上天文台で活躍する火星観測家たちが中心になって編集・発行している和文・英文のニュースレターで、1986年に発刊されました。毎月の火星面の様子が克明に記載されています。最近はインターネットにも登場していますので、屋上天文台だけでなく、日本や世界の火星観測の活躍の一端を知ることができます。内容は専門的ですが、『火星通信』のウェブサイトに近々、屋上天文台が和文・英文で紹介される予定とのことです。


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