4. 越前海岸のおいたちをさぐる

 越前海岸を形づくる岩石は、主に、1700〜1600万年前頃に、当時の河川や浅い海に堆積した礫岩や砂岩や泥岩や火山噴出物、および1300万年前頃に噴出した火山岩(安山岩)でできています。


 この時代は、日本海が拡大しながら形成された頃で、越前海岸付近は、基本的には陸の環境から海の環境へと変わっていきます。しかし、火山活動により火山噴出物が堆積盆地をしばしば埋め立てたために、浅い環境が継続した様子が、海岸の地層から読みとることができます。


 当時(約1600万年前)は、暖流が北海道南部にまで流れ込み、越前海岸も一時的にマングローブ林の発達した熱帯的環境になりました。殻の大きさが10?近くになるビカリヤ(巻貝)は、この時代の有名な示準化石です。


 この時代の地層は、越前海岸の越廼村茱崎−大丹生・小丹生−福井市鮎川にかけて観察できます。これらの地層は主に河川から干潟や海浜に堆積した地層です。当時の様子を地層などの情報から復元すると、次のイラストのように描くことができます。


古環境図


 越前海岸の北部では、1450〜1300万年前に噴出した火山岩が、これらの地層をおおっています。鉾島、東尋坊、雄島などを形作る火山岩です。これらの火山岩は日本海の拡大が終了するころに噴出したものです。


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